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研究成果 健康、医療、福祉エレクトロニクス 目標3.すべての人に健康と福祉を目標14.海の豊かさを守ろう システムデザイン研究科

ランダムマスク型超音波センサ ~高精度かつ低計算負荷なセンサを実現~

掲載日:

超音波、医療画像、イメージング

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どんなシーズなの?

これまで本研究室では、ランダムマスクを用いた超音波イメージング技術の開発を行ってきました。ランダムマスクとは、表面に凹凸形状を設けることで空間変調された信号を送受信できるトランスデューサで、本研究室の成果に示すような構成が一例です。これにより、従来はアレイ状のトランスデューサを用いていたところを単一の送受信系とすることができ、コスト削減が可能です。

本研究では、ランダムマスク型のトランスデューサを物理的に回転させつつ信号を取得したうえで、Super-resolution FM-Chirp correlation MethodとWeighted frequency sub-band compoundを併用することで、これまでの信号処理方式と比べて取得画像を高精細化できる事が分かりました。従来法と本技術を比較したところ、シミュレーションと実験の両方で、従来法よりも本技術の方が明瞭な画像を得られました。

(a)従来法:Super-resolution FM-Chirp correlation Method のみを用いた方法
(b)本技術:Super-resolution FM-Chirp correlation MethodとWeighted frequency sub-band compoundを併用

こんなことに使える!

超音波イメージングは、医療画像機器、非破壊検査や自動車等の移動体に取り付けるセンサとして活用されます。本技術により、ランダムマスク型が有するコストメリットを維持したまま、水平方向・奥行方向ともに取得画像の高精細化が可能となります。

こんな研究室です!

本研究室では、医療系超音波による画像化と、コンピュータビジョンに関する研究をメインに行っています。様々な応用先が考えられますので、幅広く産業応用に協力頂ける企業との連携を期待しています。

研究者

  • 田川 憲男 教授

    • システムデザイン研究科

関連文献

Evaluating a 3D Ultrasound Imaging Resolution of Single Transmitter/Receiver with Coding Mask by Extracting Phase Information
https://doi.org/10.3390/s24051496

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