従来の学問領域や分野の枠組みを独自の視点で捉え直すことで、新しい視点や考え方を取り入れることを指します。すなわち、自分の専門分野を軸足に、興味のフレームを複数方向に広げて研究領域を拡大し、新たな領域(アリーナ)の創生につなげることで、新しい知識やアイデアが生まれ、学際的な研究やイノベーションが促進されることを目指しています。
大学院生の方へ
博士後期課程学生支援事業
事業概要
本学では、博士後期課程学生への経済的支援およびキャリア開発等支援のため、現在、以下の事業を実施しています。
東京都立大学 領域リフレーミング(Arena Reframing:AR)双対型博士人材育成 プロジェクト(2024年度~)
本プロジェクトは、既存の学問領域や既知の学際的研究領域を独自な視点から捉え直し、多くの知見が出会い生まれる「領域(アリーナ)」の創生することのできる人材を育成・輩出することを目的とします。
採用された学生には、経済的支援だけでなく、自立的なキャリア形成に向けた研究力強化・異分野連携・キャリアパス確保にかかる各種プログラム等の提供を行います。
領域リフレーミング(Arena Reframing:AR)とは
主な支援内容
- 経済的支援
- 大学院共通科目の設置(博士人材のアカデミック・コミュニケーション)
- 外部メンターによるキャリアパス面談の実施
- 多視座涵養講座の実施
- リトリートの実施
- その他各種イベント
(1)研究奨励費(生活費相当額):年間240万円(月額20万円)*雑所得扱い
(2)研究費(直接研究費):年額30万円 *別途インセンティブ経費として0~50万円の追加配分を行う場合があります。
様々な博士人材(企業、FA、URA等)によるキャリア講演会、論理的かつクリエイティブな思考や語学力向上セミナー、博士人材と企業とのマッチングイベントを実施しています。
次世代AIを志向した領域リフレーミング(Arena Reframing:AR)双対型博士人材育成プロジェクト(2024年度~)
本プロジェクトは、強化分野として、特にAI分野及びAI分野における新興・融合領域(次世代AI分野)と既存の学問領域や既知の学際的研究領域を独自な視点から捉え直し、多くの知見が出会い生まれる「領域(アリーナ)」の創生することのできる人材を育成・輩出することを目的とします。
基本的には国内外の学会発表・論文・産学連携・国際共同研究等の研究成果をあげられる学生を想定し、経済的支援だけでなく、自立的なキャリア形成に向けた研究力強化・異分野連携・キャリアパス確保にかかる各種プログラム等の提供を行います。
次世代AI分野の例
コンピュータサイエンス、機械学習、データマイニング、自然言語処理、情報学、バイオインフォマティクス、ジオインフォマティクス、数学、統計学、電子工学、ロボティクス、制御工学、生命科学、経済学、計量経済学、コンピュテーショナルバイオロジー、医学、ヘルスインフォマティクス 等
※上記の例に限ったものではなく、自身の研究が次世代AI分野あるいはそれに関連する分野であると説明できれば、専門分野は問いません。
本プロジェクトにおいて育成する人材像
- AI分野のアルゴリズム開発やデータ駆動科学等、次世代AI分野における先端研究に直接参画するような高度専門人材
-
研究対象の性質や特徴を理解し、AIとのマッチングを考えることで、研究・開発にブレイクスルーをもたらすことができるような高度専門人材
-
これまでAIが活用されていなかった研究分野に対して、積極的にAIを活用し新たな方向性を開拓するような高度専門人材
主な支援内容
- 経済的支援
- 学内教員によるメンター制の実施
- 異分野融合や次世代AI分野等にバックグラウンドを持つ外部メンターとの面談の実施
- 大学院共通科目の設置(博士人材のアカデミックコミュニケーション)
- 多視座涵養講座の実施
- リトリートの実施
- その他各種イベント
(1)研究奨励費(生活費相当額):年間330万円(月額27.5万円)*雑所得扱い
(2)研究費(直接研究費):年額60万円
様々な博士人材(企業、FA、URA等)によるキャリア講演会、論理的かつクリエイティブな思考や語学力向上セミナー、博士人材と企業とのマッチングイベントを実施しています。
東京都立大学 博士研究力強化支援プロジェクト(2024年度~)
本プロジェクトでは、独立行政法人日本学術振興会特別研究員への申請を促進することを目的とし、特別研究員DCに申請して不採用だった個人に対し、研究活動に専念して研究力の向上を図ることができる環境を提供するための経済的支援を実施します。
主な支援内容
- 経済的支援
研究力強化支援奨学金(生活費相当額):年間180万円(月額15万円)
事業紹介パンフレット
募集情報
これまでの支援事業
本学では、2020年度から文部科学省「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」、2021年度から科学技術振興機構「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」に採択され、2023年度から上記2事業を一体化し、博士後期課程の学生に対し経済的支援とキャリアパス形成支援等を行ってきました。
本学でこれまでに実施してきた支援事業は以下のとおりです。
マテリアル革新を目指した次世代「双対型」人材育成フェローシップ(2020年度~2022年度)
本学は、文部科学省の「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」に採択され、2020年度より「産学官で活躍できるマテリアル革新を目指した次世代「双対型」人材育成フェローシップ」を実施しています。
当該プログラムでは、本学の強み分野であるマテリアル分野とその関連応用分野を専攻する博士後期課程の学生を対象に、当該分野の深い専門的知見による卓抜した一点突破能力に加えて、専門分野以外の関連する学術・技術分野との連携による学際的視野を兼ね備えた「双対型」の能力を持つ人材の育成を目指します。研究に専念するための経済的な支援の他、個々の能力や適性を踏まえて高度な博士人材としての多様なキャリアパスに対する経験の場を提供します。具体的には、研究力強化に係るイベント・WSを実施します。また、各界で活躍する企業研究者等の外部メンターの配置、海外インターンシップ派遣等を通じ、様々なキャリアパスに接する場を提供しています。
多視座を涵養する「双対型」人材育成プロジェクト(2021年度~2022年度)
本学は、JSTの「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」に採択され、『多視座を涵養する「双対型」人材育成プロジェクト』を、2021年度より実施しています。
当該プロジェクトでは、専門分野の深い専門的知見による卓抜した一点突破能力に加えて、専門分野以外の関連する学術分野との連携による学際的視野を兼ね備えた「双対型」の能力を備え、特に「異分野との対話」により多視座を涵養し、広視野、コミュニケーション力、主体性を持つ博士人材の育成を目指します。多視座を涵養するために、プロジェクトでは研究に専念するための経済的な支援だけでなく、個性に応じたキャリアを提示することで、博士後期課程学生の研究力強化とキャリアパス支援の拡充を図ります。具体的には、異分野との対話の場に資する各種講義やイベント・WSを実施し、異分野理解の土壌を整えます。さらに、各界で活躍する企業研究者等の外部メンターの配置、海外インターンシップ派遣等を通じ、様々なキャリアパスに接する場を提供しています。
「双対型」人材育成(FS-SPRING)プロジェクト(2023年度)
本学は、2023年度より、JST「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業(FS)」及び「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」の2事業を一体的運用しています。
当該プロジェクトでは、自身の専門分野の深い専門的知見による卓抜した一点突破能力の養成に加え、専門分野以外の関連する学術分野との連携による学際的視野を兼ね備えた「双対型」の能力を持つ博士人材を育成・輩出することで、新たなイノベーションや価値の創出に貢献することを目的としています。具体的には、FS型/SPRING型による経済的支援のほか、自立的なキャリア形成に向け、研究力強化、異分野との連携、およびキャリアパス確保に係る各種プログラムの提供を行っています。