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研究成果 ものづくり技術ナノマテリアル、材料機械 目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう 東京都立大学システムデザイン研究科

熱処理不要!タングステン薄膜の低温下ストレスフリー成膜

掲載日:

HiPIMS、高融点金属薄膜、残留応力、低温成膜

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どんなシーズなの?

 タングステン薄膜は物理的、化学的に他の金属よりも優れた特徴を持っていることから、産業用途で大きな注目を集めています。しかしタングステンは高融点材料であるため、残留応力緩和のための熱処理に1000℃以上の高温環境が必要となり、成膜設備や成膜対象物の材質に大きな制約がありました。

 HiPIMSはパルス電圧によって成膜条件を細かく調整できる、スパッタリングの一種です。キャリアガス粒子の照射を抑制し、基板に高エネルギーのタングステン粒子を入射させることで、低温下であっても基板を加熱したときと同等の再結晶挙動が得られ、アニール処理をしたものと同等の、極めて残留応力の低いタングステン薄膜を形成できました。

こんなことに使える!

 高融点金属の薄膜形成方法として応用が期待できる他、薄膜の内部欠陥や残留応力が膜機能を大きく左右するような、数10nmオーダーの超極薄純金属膜の成膜プロセスとしても応用できる可能性があります。

こんな研究室です!

 薄膜プロセス工学研究室では、薄膜材料のさらなる高機能化と新素材の創出を目指し、プラズマを用いた薄膜・ナノ材料創製プロセスに関する研究を行っています。

研究者

  • 清水 徹英 准教授

    • システムデザイン研究科

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