研究シーズデータベース

研究成果 ものづくり技術ナノマテリアル、材料建築、土木機械 目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう システムデザイン研究科

広帯域で3次元方向の振動減衰が可能な弾性波メタマテリアル

掲載日:

3次元構造、弾性波メタマテリアル、Inertial Amplification(IA,慣性増幅)、3Dプリンティング

印刷用資料はこちら

どんなシーズなの?

弾性波メタマテリアルは、人工的に設計された複雑な形態の構造物であり、形態や材質(弾性)を変えることで、振動や音の伝搬特性(振動透過率や周波数帯域)を制御することが可能です。

本研究者は、これまでに、複雑なパターンが平面上に周期配列した2次元構造のメタマテリアルを開発し、特定の周波数帯域において振動が減衰することを確認しています。しかし、2次元構造のメタマテリアルは、2次元方向の振動しか減衰させることができず、応用分野が限定的であることが課題でした。

この度、本研究者は、下図に示すように、3次元構造のメタマテリアルを開発し、3次元方向で振動を減衰させることに成功しました。また、広い周波数帯域で振動を減衰できることが確認されました。

八面体ユニットセルを一方向に配列したメタマテリアルのCAD図を示す。
赤色の箇所が高弾性部材、紫色及び水色の箇所が低弾性部材で構成される。

右側のグラフはFEM(有限要素法)解析を行った結果を示し、
左側のグラフは試作品を実測した結果を示す。

こんなことに使える!

本研究の成果は、航空宇宙、鉄道、自動車、精密機器、建築構造など、振動や騒音が性能や安全性に直結する応用分野で有効です。例えば、電気自動車の静粛性向上や軽量化、半導体製造装置の高精度化、あるいは耐震・制振構造への展開が期待できます。

こんな研究室です!

弾性波の伝搬を制御可能な構造物の研究をしています。解析的モデリング、有限要素法解析、最適化アルゴリズムを組み合わせた設計や,複合材3Dプリンティングによる構造物の造形を行っています。優れた振動・騒音低減性能をもつ新規構造物を創出し、工業製品の信頼性や快適性の向上に貢献することを目指しています。

研究者

  • 水上 孝一 准教授

    • システムデザイン研究科

関連文献

関連リンク