特許 環境ナノマテリアル、材料 目標7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 都市環境科学研究科
化学品やエネルギーキャリアを高効率で製造できる多孔質膜
掲載日:
電気化学反応、過酸化水素、ギ酸、一酸化炭素
どんなシーズなの?
過酸化水素(H2O2)やギ酸(HCO2H)などの化学品やエネルギーキャリアを、従来よりも高効率かつ容易に製造する技術が望まれています。本発明では、下図に示すように、アノード電極3、多孔質な電解質膜4、カソード電極5が積層してなる膜電極接合体2を利用します。例えば、アノードとカソードとの間で細孔を介して酸素(O2)をクロスオーバーさせることにより、高効率な電力利用(90%以上の電流効率)でH2O2を製造することができます。

こんなことに使える!
H2O2やHCO2Hなどの化学品は、水素に替わるエネルギーキャリア(再生可能エネルギーの貯蔵や輸送手段)として期待されています。
本発明では、被還元性物質を酸素とすればH2O2を製造でき、被還元性物質を二酸化炭素とすればHCO2Hや一酸化炭素などの化学品を製造することができます。電力エネルギーを活用する本発明は、従来の化学品製法の問題点、例えば、有機溶媒の大量使用、二酸化炭素の大量排出、低い収率などを解決できる可能性を秘めています。
こんな研究室です!
私たちは、物質のもつ特徴を活かした材料設計によって電極触媒や光触媒の高性能化を目指しています。主な研究テーマは以下となります。
- 光触媒、光電極、電極触媒などを用いた分子変換反応プロセスの開発
- 再生可能エネルギーを用いた燃料や化学品(過酸化水素など)の製造
- メタンや二酸化炭素などの炭素資源の有用化学品への変換
- 新たな着眼点や手法による光触媒、光電極、電極触媒などの機能性材料の開発
研究者
-
天野 史章 教授
- 都市環境科学研究科
発明の名称
反応装置及びそれを用いた化合物の製造方法
番号
特願2024-022913
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