特許 健康、医療、福祉ナノマテリアル、材料 目標3.すべての人に健康と福祉を 都市環境科学研究科
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療法
掲載日:
COPD、エピジェネティックコントロールキャリア
どんなシーズなの?
喫煙者の約20%が罹患しているCOPDの原因として、(1)活性酸素種の増加と(2)ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC2)の機能不全とが提唱されています。本発明は、この2つを同時にターゲットとして治療できるプラスミド・リポソーム複合体です。
具体的にこの複合体は、抗酸化剤を含むリポソーム粒子の表面にHDAC2のプラスミドDNAを付着させた構成であり、複合体が細胞に導入された後、含有成分がうまく機能するよう工夫しています。その結果、①抗酸化と➁HDAC2活性の回復とをスムーズに達成することが可能になっています。
こんなことに使える!
本発明は、抗酸化剤とプラスミドDNA等の遺伝子とを共送達できるキャリア(リポソームもしくは脂質コードされた生分解性ポリマー)です。
このようなリポソーム・プラスミド DNA複合体は、非ウイルス性なので安全性が高く、かつ改変が容易な遺伝子治療として実用化が期待されています。
具体的には、COPD以外にも、活性酸素種と、活性酸素種によって影響を受ける遺伝子とに起因する疾患であれば適用できる可能性があります。
こんな研究室です!
川上研究室では、高分子化学・有機化学・分子生物学を基礎としてエピジェネチクス工学, 抗酸化・抗老化, 再生医療, 細胞治療などに必須となるバイオマテリアルの創成を目指した研究を進めています。
また、朝山研究室では、DDSを用いたバイオマテリアルを創製し、バイオ医薬品(核酸、タンパク質、生理活性亜鉛)等の研究を行っています。
本発明に興味のある方、上記研究室の技術に関心のある方からの技術相談をお待ちしています!
研究者
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川上 浩良 教授
- 都市環境科学研究科
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朝山 章一郎 教授
- 都市環境科学研究科
発明の名称
抗酸化機能を有するエピジェネティクコントロールキャリアによる慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療
番号
特許第6731730号
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