特許 健康、医療、福祉ナノマテリアル、材料 目標3.すべての人に健康と福祉を 都市環境科学研究科
表面がカタラーゼ活性を示す新しい機能性透析膜の提案
掲載日:
血液透析、活性酸素(ROS)、過酸化水素、カタラーゼ活性、透析膜
どんなシーズなの?
血液透析治療では、血液と透析膜との接触などに伴い「活性酸素」が発生するため、透析患者は慢性的に高い酸化ストレスにさらされているといわれています。
本発明では、活性酸素の一つである過酸化水素(H2O2)を、無害な水と酸素に不均化する「カタラーゼ活性」を示す表面を持った、機能性透析膜を提供します。この機能性透析膜は、ポリビニルイミダゾールと金属ポルフィリン化合物とを結合させた複合体を、再生セルロースなどの固体支持体に結合させたものです。ポイントは、前記複合体を、固体支持体に結合させている点です。前記複合体自体もH2O2の不均化を触媒することができますが、水性溶液中に放置すると金属ポルフィリン化合物が分解してしまい、触媒活性を維持できませんでした。
また本技術は、抗酸化の過程で前記複合体が消費されないという特徴も持っています。
(左)機能性透析膜のイメージ図(右)本発明で作製した膜に過酸化水素を通過させた後、UV-Vis分光光度計で測定を行った。 本実験によって酸素が発生し過酸化水素濃度が減少したが、膜に吸着している複合体の量は変化しなかった。
こんなことに使える!
酸化ストレスを低減できる、新たな透析膜として利用できると期待しています。また、本技術の固体支持体は「膜」である必要はありませんので、新たな形態の透析デバイスも検討できるかもしれません。
こんな研究室です!
朝山研究室では、人類の健康を維持し生活の質(QOL)を向上させるバイオマテリアル(生体機能材料)に関する研究をしています。生化学、有機化学、高分子化学、分子細胞生物学、薬学、医学を融合した学際研究により、人類の医療と福祉(生活環境)に貢献します。
研究者
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朝山 章一郎 教授
- 都市環境科学研究科
発明の名称
過酸化水素分解用複合材料及びその製造方法
番号
特願2023-076250