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特許 環境ナノマテリアル、材料 目標13.気候変動に具体的な対策を 東京都立大学理学研究科

水蒸気存在下DAC条件でCO2回収可能!置換非晶質シリカを使ったCO2吸収放出剤

掲載日:

DAC、ダイレクトエアキャプチャー、二酸化炭素、CO2分離回収

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どんなシーズなの?

 本発明は、新しいCO2吸収放出剤とそれを用いたCO2の吸収・放出・回収方法です。新しいCO2吸収放出剤は、“アミノ基をもつシランカップリング剤”が不要で、アミノ基を含む基が化学的に結合している「置換非晶質シリカ」という新しい化合物です。置換非晶質シリカは、シリカゲルに代表される「非晶質シリカ」中の酸素原子が、他の基で置換された構造を持っています。
 ゼオライトのようなCO2吸着剤では、水蒸気のある環境下でCO2の吸着性能が落ちてしまいますが、本技術では乾燥環境とほぼ同等の吸着性能を示します。

こんなことに使える!

 このCO2吸収放出剤は、400ppm程度以上の幅広い濃度のCO2を吸収することができ、80℃以下でCO2を脱離することが可能です。また、水蒸気存在下でも性能が落ちることはないため、大気中のCO2を直接回収するDirect Air Captureに適しています。
 さらに、既存の吸着剤の構造自由度を制限する要因であった、“アミノ基をもつシランカップリング剤”が不要であるため、目的に応じて吸着剤表面のアミン化合物を比較的容易に変更することが可能です。

こんな研究室です!

 無機化学研究室では、特異な「構造」が示す新しい「機能」に着目し、(1)金属酸化物クラスターの合成と塩基触媒応用(2)金属クラスターの物性・触媒作用の解明(3)環境調和を目指した新しい触媒反応系の開発、に取り組んでいます。また、「構造」が示す「機能」の原理解明には、機能を発揮している際の構造・電子状態の動的挙動を明らかにする必要があることから、(4)放射光分光を用いたオペランド計測による機能解明にも取り組んでいます。

研究者

  • 山添 誠司 教授

    • 理学研究科
  • 吉川 聡一 助教

    • 理学研究科

発明の名称

二酸化炭素の吸収放出剤、二酸化炭素の吸収方法、二酸化炭素の放出方法、二酸化炭素の回収方法、及び置換非晶質シリカ

番号

特願2023-033994

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