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特許 ライフサイエンスものづくり技術 目標2.飢餓をゼロに目標13.気候変動に具体的な対策を 東京都立大学理学研究科

世界の穀物不足を救う『三大穀物間Cybrid植物』

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keywords : 顕微授精法、三大穀物、Cybrid

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どんなシーズなの?

 トウモロコシ、コムギ、イネはイネ科植物ですが、異なる亜科に属していることから交雑体の作出は困難であり、これら3種間での遺伝資源の相互利用は不可能でした。顕微授精(IVF)法を用いて、コムギとイネの配偶子(卵細胞と精細胞)を任意の交雑組み合わせで電気的に融合することにより、コムギ−イネ間の交雑不全を克服できるコムギ−イネ交雑受精卵を作出しました。
 イネ科内における雑種なので遺伝子組み換え体には相当せず、この手法で作出した植物を一般圃場で展開することができます。また、耐乾性、耐高・低温性、耐湿性、耐病性、多収性を有する植物体を作出できる可能性があります。さらに、IVF 法は配偶子の単離が可能な植物種に適応でき、トウモロコシ、オオムギ、サトウキビ、ソルガムなどの多くのイネ科有用植物との間の遠縁雑種植物の作出も可能です。

こんなことに使える!

  • 通常の交配では不可能だった、母性遺伝するミトコンドリアや葉緑体の雑種(細胞質雑種)を
    作出できます
  • 作出したCybrid植物は、多様なオルガネラ依存的形質を新たに獲得することが想定されます
  • コムギ、トウモロコシ、イネは人類の食糧以外にも飼料やバイオエタノール原料にも使えるため、
    用途は多岐にわたります

研究者

  • 岡本 龍史 教授

    • 理学研究科

発明の名称

融合細胞、融合細胞の製造方法、細胞塊、植物体及び植物体の製造方法

番号

特開2022-76736

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