研究シーズデータベース

特許 ライフサイエンス健康、医療、福祉ナノマテリアル、材料 目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう目標3.すべての人に健康と福祉を 東京都立大学システムデザイン研究科

細胞運動パターンを利用した細胞識別方法

掲載日:

keywords : がん、細胞運動、細胞識別

印刷用資料はこちら

どんなシーズなの?

 従来、悪性新生物(がん)の診断は、各種部位に特異的な腫瘍マーカーやCT画像、細胞診などを複合的に組み合わせて行われています。しかし、診断が難しい部位やこれに起因する誤診が生じることなどもあり、患者がセカンドオピニオンを求める場合も少なくありません。
 本発明は、撮影された細胞のいくつかのパラメータを用い、細胞運動パターンを算出することによって、がん細胞であるかそうでないかを識別する方法です。この方法は、医師や臨床検査技師などの特別な技術を必要とせず、がん細胞を高い真陽性率により識別することができます。

こんなことに使える!

 3つの変数によって算出された細胞運動パターンによりがん細胞を識別します。具体的には、第1変数に『細胞の移動速度』、第2変数に『細胞の方向転換角度』、第3変数に『細胞の方向転換回数』をそれぞれ設定しています。取得した3つの変数についてそれぞれマハラノビス汎距離を算出し、がん細胞を識別します。本発明は、精密機器や診断薬を必要とせず簡便に低コストで診断可能な、がん細胞の運動に基づいた新規の細胞判別方法です。この方法を基礎とした診断製品、研究・医療用ソフトウェア、ソフトウェアを組み込んだ装置等、様々な分野に展開が期待されます。

こんな研究室です!

 三好研究室では、培養細胞の周囲環境である微細な凹凸構造や、「かたさ」をはじめとした物理的な特性が与える細胞の性質(運動性,増殖性,分化)の変化に注目し研究を行っています。
 本発明に興味のある方、研究室の技術に関心のある方からの技術相談をお待ちしています。

研究者

  • 三好 洋美 准教授

    • システムデザイン研究科

発明の名称

細胞識別装置、細胞識別方法及びプログラム

番号

特開2021-185888

関連リンク