特許 健康、医療、福祉 目標3.すべての人に健康と福祉を目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう システムデザイン研究科
高精度な血圧連続測定を可能とする イヤフォン型のウェアラブルデバイス
掲載日:
ウェアラブル、ヒアラブル、血圧、光電容積脈波、機械学習、循環器
どんなシーズなの?
血圧は、健康管理において重要な指標の1つとなります。血圧の測定方法としては、カフによって一時的に血流を遮断し、再開時の圧力を検知するトノメトリ法が一般的となり、当該手法による血圧計が一般家庭や病院など、広く普及しています。しかし、従来の方法は手間がかかるうえ、断続的な測定に限られてしまいます。そこで、非侵襲かつ連続測定可能なカフレス血圧推定手法が多数開発されてきましたが、実際のデバイスが大型・高価であるものや、測定精度が低いものなど、依然として課題が残されていました。
本発明では、そうした課題を解決しうる、カフレスかつ高精度な血圧連続測定を可能とするイヤフォン型のウェアラブルデバイスを提案しています。
開発中のデバイス(左:試作機、右:構成)
こんなことに使える!
本発明では、脈波の形状から血圧を推定しています。重力によって組織に生じる静脈血の勾配に着目し、鉛直上向き・下向きに配置された光電容積脈波センサの波形の違いから、従来は難しかった脈圧を算出して収縮期・拡張期血圧推定精度を向上させています。
耳の形状は個人差が大きいため、上下2部位で安定的な計測を実現することは困難です。本発明では、光源と受光部の位置を最適化することでユーザーの約9割で高品質な光電容積脈波信号を得ることが可能となっています。
本発明は、装着を意識させないまま連続測定を可能とするため、例えば血液透析中に起こる急激な血圧低下の監視や早期の流量調節を行うことが可能となります。また、睡眠時無呼吸に伴う夜間高血圧や早朝高血圧を高い解像度で可視化でき、ユーザーを覚醒させてしまうこともありません。
こんな研究室です!
本発明者も所属するシステムデザイン学部・松井岳巳研究室では、感染症、呼吸・循環器系などの新しい医用システムにつながる診断アルゴリズムの提案や、診断アルゴリズムを実装したプロトタイプのデザイン、プロトタイプを用いた臨床研究を行っています。
研究者
-
佐藤 正平 助教
- システムデザイン研究科
発明の名称
解析システム、解析方法、プログラム及びイヤホン
番号
PCT/JP2024/038513