特許 ものづくり技術エレクトロニクス 目標12.つくる責任つかう責任 システムデザイン研究科
乾式高勾配磁気分離による 微粒子・粉体中の金属異物除去
掲載日:
磁気分離、フィルター、生産ライン、工場
どんなシーズなの?
工業製品や食品の粉体製造工程において、機械どうしの摩擦等より金属製の微粒子が発生し、これら異物の混入が製品の品質を下げる要因になります。例えば製造機械から発生する鉄粉等の磁性金属はもちろんですが、配管等によく用いられているステンレスについても摩擦等による物理的な刺激によってステンレス微粉末が磁性を帯びることが知られています(力学的ストレス誘起型マルテンサイト変態)。これまで、こういった粉体中の金属微粒子除去に対して高勾配磁気分離を行うと、どうしても磁性線フィルターの目詰まりを防ぐことが出来ませんでした。
そこで本研究では、電磁石のボア内部に挿入する目詰まりの極めて少ない一方向磁性線回転型層状フィルターを考案しました。具体的には、一方向に並行配置された磁性線からなるフィルターを、少しずつ回転させながら複数積層するような構成をしています。
こんなことに使える!
例えば、リチウム電池の電極材料となるカーボンブラックの製造工程において、鉄系微粒子などの磁性不純物の混入は電極の性能や安全性を損なう原因であり、この除去技術が求められています。実験結果では、低磁界(0.5T) でカーボンブラック粉体中の48ミクロンの鉄微粒子をフィルターの目詰まりなくほぼ100%除去することに成功しました。
本技術は、粉体が対象であってもフィルターが目詰まりしないという点に強みがあり、乾式磁気分離装置としてカーボンブラックに限らず様々な用途への応用が期待されます。
こんな研究室です!
新規超伝導材料の開発やその応用と、磁気力制御技術を活用したシステムの研究・開発を行っています。MRI、航空機といった超伝導材料の適用製品から、磁気分離による環境システム、品質管理システムなど幅広い業界との共同研究・共同開発を歓迎します。
研究者
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三浦 大介 教授
- システムデザイン研究科