特許 環境エネルギーものづくり技術ナノマテリアル、材料 目標7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 都市環境科学研究科
低温で高活性・高安定性を有する水素製造触媒
掲載日:
燃料電池、水素製造触媒、水素燃料
どんなシーズなの?
本発明は、水素製造触媒に関するもので、大きく3つの特徴を有します。
①低温での高い水素生成速度
従来の触媒では、活性を得るためには250℃以上の温度が必要とされるところ、本発明では140℃程度の低温で活性を発揮可能です。
②雰囲気・温度変動に対する高安定性
図1の横軸は、実験において雰囲気と温度を変動させたサイクル回数です。特にPt-CZAにおいてはサイクルを重ねても触媒活性が低下しておらず、実環境で使用された場合も高い活性を長く維持することが出来ます。
図1:雰囲気・温度のサイクル実験結果
③触媒の活性化に還元処理が不要
従来の触媒では、活性を持たせるためには使用時に事前の還元処理が必要でしたが、図2に示す通り、Pdをドープした本発明では事前の還元処理を行わずとも触媒活性を得られることが分かりました。これにより、工程削減が可能となり水素製造コストを減らすことが出来ます。
図2:事前の還元処理有無による比較
こんなことに使える!
アルコール類から高効率に水素製造を行うことができ、上記のような特徴から、システムの簡略化やメンテナンス性の向上に役立つと考えています。
こんな研究室です!
触媒作用の分子論的理解に立脚した分子レベル・ナノレベルでの触媒の設計に基づく「環境保全・浄化に有効なシステム」「高効率な分子変換プロセス」の構築を目指しています。「触媒」をキーマテリアルとする環境に調和した化学により、「環境・エネルギー・資源」の課題に取り組んでいます。
研究者
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宍戸 哲也 教授
- 都市環境科学研究科
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三浦 大樹 准教授
- 都市環境科学研究科
発明の名称
水素製造触媒
番号
特許第7257019号
関連文献
Cu系触媒を用いたメタノールの酸化的改質:触媒安定性に対する貴金属添加の影響 (jst.go.jp)