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特許 環境ものづくり技術ナノマテリアル、材料 目標6.安全な水とトイレを世界中に目標11.住み続けられるまちづくりを 東京都立大学都市環境科学研究科

「透過しやすさ」と「強さ」を両立! アルミナスルーホールメンブレン

掲載日:

メンブレン、フィルター、多孔体、ナノ細孔

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どんなシーズなの?

 発明者はこれまで、アルミニウムの陽極酸化によって形成されるアルミナスルーホールメンブレンを開発してきました。しかし従来技術は、膜に「均一な径の細孔」が複数貫通したような構造で、膜厚が10μm以下では機械強度が不足し、折損や欠けが発生しやすい問題がありました。一方、機械強度を担保するために膜を厚くすると、細孔が長くなり、媒質(ガスや液体など)が孔を通過する際の圧力損失が大きくなってしまいます。
 本発明では陽極酸化とエッチングのみで、ポーラスアルミナ層とアルミニウム補強部を備えた、高い透過性能と機械強度を両立するアルミナスルーホールメンブレンを製作することが可能です。

こんなことに使える!

 本発明を用いれば、ポーラスアルミナ層の厚さが50nm(50μmの場合と比べ、透過体積は1,000倍)程度であっても、自立性を有するアルミナスルーホールメンブレンを製造することが可能です。細孔径は数nm~1μm程度で任意に調節することができ、ばらつきの相対標準偏差は10%以下と、従来のメンブレンフィルターと比較しても非常に均一性の高いフィルターを製造することができます。細孔径をシングルnmまで微細化すれば、ガス分離膜としての応用も期待できます。

こんな研究室です!

 私たちは、電気化学プロセスをベースとして、金属・半導体・金属酸化物・ポリマーなど、様々な素材の幾何学構造をナノメータースケールで精密に制御することによって機能性材料を創出し、得られたナノ構造材料をもとに、これまでにない機能を持ったエネルギーデバイス、環境浄化デバイス、光デバイス等の開発にむけた研究を進めています。
 本発明に興味のある方、研究室の技術に関心のある方からの技術相談をお待ちしています!

研究者

  • 柳下 崇 教授

    • 都市環境科学研究科

発明の名称

アルミナスルーホールメンブレンおよびその製造方法

番号

特願2022-136256

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