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特許 環境建築、土木 目標15.陸の豊かさも守ろう 人間健康科学研究科

携帯型放射能濃度深度分布測定器~小型で高精度な測定を実現~

掲載日:

放射線、測定装置、除染

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どんなシーズなの?

 本発明は、土壌の放射線測定装置に関するものです。 

 土壌の放射能汚染に対しての安全性評価や除染にあたり、汚染状況は水平方向・深度方向ともに均一ではないため、現場では複数地点での継続的な深度分布調査が行われています。

 現在は主に、採取した土壌を持ち帰ってのサンプリング測定を行っていますが、この方法には未だ様々な課題があります。一つ目に計測所要時間が長いことです。これは、採取した土壌は持ち帰ったうえで乾燥させてから測定する必要があるためです。二つ目に、山岳部や地盤のゆるい農地等には対応できないという点です。

 本発明の測定装置は、10mm間隔で複数のセンサを有する検出器と、電源および制御部が一体化されており、検出器を土壌に挿入することで、現場でリアルタイムな測定を行うことが出来ます。

こんなことに使える!

①高解像度に放射線源分布を計測可能
 センサを高密度に配置していることから、分解能高く放射線源分布を計測することが出来ます。

②小型で様々な環境に適用可能
 装置全体として小型であり、可搬性に優れます。また、検出器を挿入して測定するため、従来のサンプリング検査では対応できなかった緩い地盤などの環境の測定も可能です。

③放射線源を特定可能
 機械学習を用い、各放射線源について、土壌の質等により変わる検出結果を学習させることで、放射線源の種類を特定することが出来ます。

こんな研究室です!

 放射線被ばくに対する健康管理や、本発明のような計測技術・装置の開発を行っています。また、アジア・アフリカ諸国の天然放射性同位元素に関する動態研究をはじめとする国際共同研究にも力を入れています。

研究者

  • 井上 一雅 教授

    • 人間健康科学研究科

発明の名称

放射線測定装置

番号

特許第6889476号

関連文献

井上一雅 教授 アグリビジネス創出フェア2023において「携帯型放射能濃度深度分布測定器」を出展しました – 東京都立大学日本学術振興会 (tmu-nmphp.com)

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