研究成果 エネルギーものづくり技術ナノマテリアル、材料 目標7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに目標13.気候変動に具体的な対策を 都市環境科学研究科
「リチウム空気電池」耐久性を上げる! ナノファイバー複合電解質膜
掲載日:
リチウム空気電池、高分子ナノファイバー、電解質膜
どんなシーズなの?
リチウム空気電池は、リチウム金属負極、電解質、空気極から構成され、リチウムと空気中の酸素の反応を利用して充電・放電反応が行われるもので、リチウムイオン電池の数倍の容量を実現できる「究極の蓄電池」と呼ばれています。
しかし現在のリチウム空気電池は、10回程度の充電と放電で電池特性が急激に低下します。これは、空気中の水蒸気によってリチウム金属が腐食されてしまうことが原因の一つと言われています。本研究では、リチウムイオンを伝導する役割を担う電解質に着目。高分子ナノファイバー(極細繊維)を利用することで、リチウムイオン伝導性はそのままに、高い撥水性を持つ高分子電解質膜を開発しました。水蒸気の透過が1/4まで抑制され、この電解質膜を組み込んだリチウム空気電池は、従来の3倍以上の耐久性が得られました。
こんなことに使える!
充放電回数が少ないことは、リチウム空気電池の実用化に向けた最も大きな障壁の一つです。多くの研究者がこの課題に取り組んでいますが、本研究成果は新たなアプローチ方法の一つとして、問題解決に貢献できる可能性があります。
こんな研究室です!
田中准教授、川上教授は、空気電池のほか、「全固体型リチウム電池」や水素を製造・利用する「水電解」「燃料電池」の研究にも取り組んでいます。
研究者
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田中 学 准教授
- 都市環境科学研究科
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川上 浩良 教授
- 都市環境科学研究科